肘部管症候群への最適術式:メタアナリシス
Safety and Outcomes of Different Surgical Techniques for Cubital Tunnel Decompression: A Systematic Review and Network Meta-analysis
背景
肘部管症候群(CTS)手術式選択に関する最新エビデンスは。英Leeds Teaching HospitalsのWadeらは、同症候群成人患者を対象として最低2術式を比較した2019年3月までの30論文を対象として、これを検討するシステマティックレビューとメタ解析を行なった。一次アウトカムは、治療奏効である。
結論
全体で87%が手術によって症状は改善したが、in situ全除圧術はいかなる様式でも移行術に比べて効果的だった(相対リスク1.13)。手術後3%が合併症を発症し、除圧術が最も再手術リスクが低かったが、このアウトカムに関してはエビデンスは不明瞭だった。全体の2%で再手術が必要であり、再手術率が最低だった除圧術と比べ、筋層下移動術の再手術率が最も高かった(相対リスク5.08)。
評価
著者らは、in situ全除圧術は直視下・内視鏡下・MISどれでもよいが、内上顆切除術は加える方がよさそうである、としている。ただし、CTSの定義には未だ十分なコンセンサスがない、という重要な留保も行っている。