マラソン初参加のためのトレーニングは大動脈壁を柔らかくする?
Training for a First-Time Marathon Reverses Age-Related Aortic Stiffening

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
January 2020
75
開始ページ
60

背景

加齢により動脈壁は硬化するが、マラソン参加のためのトレーニングはその進行を防ぐか。英University College LondonのManistyらはトレーニング経験のない初めてのマラソン大会参加者138名(年齢21〜69歳、男性49%)を対象として、マラソントレーニング(週間走行距離6〜13マイル)の動脈壁硬化予防・血圧低下効果を検討する前向研究を行なった。

結論

マラソントレーニングは、血圧低下(SBP:−4 mmHg・DBP:−3 mmHg)および下行大動脈の伸縮性増加と関連し、血管年齢の約4歳低下とおよそ同等だった。効果は高齢男性で走行速度が遅い方が大きかった。

評価

マラソントレーニングの血圧低下効果等の研究はあるが、CMRによる大動脈ステッフネスに対する効果を実測した研究は初めてとみられる。上行大動脈には影響がなく、著者らは下行大動脈の方が筋肉性であることが関連するのでは、と述べているが、フォローアップ研究が必要であろう。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy