リハビリ研究はエビデンス不足?
Treatments for Poststroke Motor Deficits and Mood Disorders: A Systematic Review for the 2019 U.S. Department of Veterans Affairs and U.S. Department of Defense Guidelines for Stroke Rehabilitation
背景
アメリカ合衆国退役軍人省とアメリカ国防総省が、脳卒中後のリハビリガイドラインをアップデートした。ECRI InstituteのD’Anciらは、その基礎とするため、脳卒中発生後の運動機能障害や気分障害へのリハビリや投薬治療の有効性を検討した56論文(19のシステマティックレビュー、37のRCT)を対象とする系統レビューを行なった。
結論
多くの研究は質が低く、大半の介入は運動機能障害を改善しなかった。高質エビデンスはフルオキセチン投薬の有効性を不明とし、中等質エビデンスは心肺機能トレーニングが歩行速度の改善に、反復型課題訓練もしくは経頭蓋直流電気刺激が日常生活動作(ADLs)の改善に有効な可能性があるとした。低質エビデンスでは、リハビリ支援ロボットの利用がADLを改善に、また認知行動療法・運動療法・SSRI投薬が鬱や不安感軽減に有効な可能性があるとしたが、投薬療法の副作用は多く不明である。
評価
非薬理学的リハを選好させる方向だが、エビデンスレベルの低さは問題である。早期リハは無益、とした最近のRCTもある(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31350296)。


