膝・股関節OAへのtanezumab：有効性と安全性のバランスは

Effect of Tanezumab on Joint Pain, Physical Function, and Patient Global Assessment of Osteoarthritis Among Patients With Osteoarthritis of the Hip or Knee

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背景

抗NGF抗体慢性疼痛治療薬tanezumabは、膝・股変形性関節炎（OA）に有効・安全か。Northwestern UniversityのSchnitzerらは、鎮痛剤への反応が良好でない成人患者582名を対象としてこれを検証する多施設DBRRCTを行なった（対照：placebo）。主要アウトカム・指標は、ベースラインから16週までのWOMAC疼痛・身体機能スコアとpatient global assessment of osteoarthritis（PGA-OA）の変化である。

結論

Tanezumabの主要アウトカム効果を認めた（WOMAC疼痛スコア平均差：tanezumab 2.5/5 mgグループで−0.73、WOMAC身体機能スコア平均差：−0.89、平均PGA-OAスコア差：−0.25）。有害事象としてtanezumab群患者でOAの急進行が6例あり、人工膝置換術はtanezumab群で24例（placebo 4例）あった。

評価

2013年に発表された股関節OAへの第3相試験では、疼痛には効果があったが関節置換手術が多く一旦停止となった（https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23553790）。著者らは、今回の結論でも「臨床的に使用可能かどうかには更なる研究が必要である」と述べている。