OA患者へのトラマドール使用は危険
Association of Tramadol With All-Cause Mortality Among Patients With Osteoarthritis

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
March 2019
321
開始ページ
969

背景

オピオイド系鎮痛薬トラマドールは、アメリカでは変形性関節炎(OA)患者に普通に使われている。中国Central South UniversityのZengらは、英Health Improvement Network登録OA患者へのトラマドール初回処方後1年時点での全原因死亡率をその他薬剤(ナプロキセン・ジクロフェナク・セレコキシブ・エトリコキシブ・コデイン)と比較検討するコホート研究を行なった(n=88,902)。

結論

投薬開始後1年間で、トラマドールコホートの死亡発生リスク(HR)は、ナプロキセン(1.71)・ジクロフェナク(1.88)・セレコキシブ(1.70)・エトリコキシブ(2.04)より有意に高かった。コデインとは有意差はなかった。

評価

英THINはデータを他国の研究者に公開しており、これを中国・米国のチームが解析した面白い研究である。軽症疼痛患者へのオピオイド使用はアメリカばかりでなくイギリスでも行なわれており、危険である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy