アキレス腱障害への運動療法と足装具:系統レビューの結論は
Exercise, orthoses and splinting for treating Achilles tendinopathy: a systematic review with meta-analysis

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
British Journal of Sports Medicine
年月
December 2018
52
開始ページ
1564

背景

アキレス腱障害への足装具の使用や運動療法に関する研究は少なくない。アイルランドTrinity College DublinのWilsonらは、22研究(n=1,137)を対象とする系統レビュー・メタ解析を行った。

結論

研究結果には不一致が多かった。エビデンスレベル中等度以上の研究では、痛み・機能改善において足底装具・ナイトスプリント使用は有効でなかった。エビデンスレベル中等度の研究では、腱中央部のアキレス腱症の痛みや機能改善にエキセントリック収縮運動が有効だったが、別の研究ではエキセントリック収縮運動が高負荷下でのスロートレーニングやストレッチ、またナイトスプリント使用と有意差はない等、特定の運動療法が他よりも優れているというエビデンスはなかった。

評価

この問題に関する初めての系統レビューだが、エビデンスの質のみでなくデータ量も少なく、運動療法の有用性は不明という暫定結論になった。足装具・ナイトスプリントの有効性に関しては先行レビューも有効性はないとしている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25108348)。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy