脳梗塞リハビリに小脳ターゲット経頭蓋磁気刺激法
Effect of Cerebellar Stimulation on Gait and Balance Recovery in Patients With Hemiparetic Stroke: A Randomized Clinical Trial
背景
脳梗塞後リハビリに脳刺激を試みる従前の研究は有効性を示しえていない。イタリアTor Vergata PoliclinicのKochらは、中大脳動脈閉塞による片側不全麻痺を有する脳梗塞慢性期患者36名を対象として、小脳磁気刺激法cerebellar intermittent θ-burst stimulation(CRB-iTBS)の理学療法への併用の効果・安全性を検証する第II相RCTを行った(対照:シャムiTEBS)。一次アウトカムは、ベースラインからのBerg Balance Scale(BBS)の変化である。
結論
CRB-iTBSの一次アウトカム有効性を認めた(BBS平均変化:ベースライン34.5;3週間の介入後 43.4;介入終了3週間後47.5)。有害事象はみられなかった。
評価
これまでの非侵襲的脳刺激法は梗塞領域(付近)をターゲットしており、非梗塞域である小脳をターゲットするのは新しいアプローチである。症例は少ないもののシャム対照をとってあり、また対照では全くみられなかった効果があったとしている。多く追試を誘う有力なパイロット研究である。