急性腰痛患者初期集中教育の効果はプラセボ効果?
Effect of Intensive Patient Education vs Placebo Patient Education on Outcomes in Patients With Acute Low Back Pain
背景
急性腰痛患者の初回治療時の患者への集中教育は有益か。オーストラリアThe University of SydneyのTraegerらは、6週未満の急性腰痛で慢性腰痛に移行する可能性が高い患者202名を対象としてこれを検証するRCTをおこなった。患者を集中教育群(疼痛やその生物心理社会的要因、また身体活動等の自己管理方法に関する1時間の教育セッションを2回行う)と対照群(積極的傾聴)にを割り付けた。一次アウトカムは、3ヶ月でのNRS(11-point numeric rating scale)による疼痛評価である。
結論
対照に比して集中教育の一次アウトカム有益性を認めなかった。2次アウトカム(障害度)に1週・3ヶ月で多少差があったが、6週・12ヶ月では有意差はなかった。
評価
対照に無処置でなく「傾聴」を採った方法論により、集中教育の効果をプラセボ効果とした。ユニークな研究であり、著者らは教育を重視する現行のガイドラインに挑戦するもの、としている。腰痛に対するアプローチを根本的に考えさせる結果である。