高齢者フレイルの死亡リスクは運動で軽減できる?
Physical Activity and Association Between Frailty and All‐Cause and Cardiovascular Mortality in Older Adults: Population‐Based Prospective Cohort Study
背景
身体活動はフレイル発症リスクを下げるが、フレイル関連死亡リスクも下げるか。スペインUniversidad Autonoma de MadridのHigueras-Fresnilloらは、60歳以上の高齢者3,896名を、健康者群(robust群:FRAIL scale スコア0)・フレイル発生予備群(prefrail群:スコア1〜2)・frail群(スコア3以上)に分類し、身体活動量と長期的全原因・心血管(CVD)原因死亡との関連を検討する前向コホート研究を行なった。
結論
Prefrail・frail群ともrobust群より全原因・CVD原因死亡リスクが高かった(前者のハザード比:1.29[prefrail群]・2.16[frail群])。他方、身体活動はprefrail・frail両群で死亡リスクの有意な低下と関連し(28%・39%)、frailで活動的な人々の全原因・CVD死亡リスクはprefrailで不活動的な人々と有意差がなかった。
評価
身体活動がフレイル者の死亡リスクに与える影響に関する初めての研究である。ただし、世界的にフレイルの定義は未だ一定しておらず、ここでの身体活動量は自己申告によっている。予防介入の実行のためにはなおデータが必要である。


