座位の死亡リスクは運動で下げられる:大規模メタアナリシス
Do the associations of sedentary behaviour with cardiovascular disease mortality and cancer mortality differ by physical activity level? A systematic review and harmonised meta-analysis of data from 850 060 participants
背景
座位行動と心血管疾患(CVD)・癌原因死亡リスクとの関連が知られているが、この関連は運動量(PA)に影響を受けるか。ノルウェイNorwegian School of Sport SciencesのEkelundらは、この問題を検討する系統レビュー・メタ解析を行った。対象研究は、座位時間とCVD原因死亡の関連に関する9研究(n=850,060)、座位時間と癌原因死亡の関連に関する8研究(n=777,696)、またテレビ視聴時間とCVD原因死亡 (n=458,127)・癌原因死亡 との関連に関する5研究(n=45,809)である。
結論
CVD原因死亡と座位時間(9%-32%リスク増加)・テレビ視聴時間(3%-59%リスク増加) に用量反応関係があり、この関係は最も非活動的なPA最低四分位群で顕著であったが、PAの第3・第2四分位群では関連は明確でなくなり、最も活動的である第1四分位群では、座位行動時間が増えてもCVD原因死亡リスクは増えなかった。座位行動と癌原因死亡リスクの関連はCVD原因死亡リスクとの関連より弱く、PAの最低四分位での増加は6%-21%であった。
評価
多大な興味をあつめる問題で、100万人を超える先行メタ解析(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27475271)を更に大規模に裏付ける結果を出した。同研究は全原因死亡への効果をみていたが、癌原因死亡へのインパクトよりCVD原因死亡へのインパクトの方が大きい、という興味深い結論を出した。


