股関節OA患者の歩行時の股関節負荷
Hip joint moments during walking in people with hip osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis
背景
変形性股関節症(OA)患者の歩行中負荷を推測する代替指標は何か。オーストラリアThe University of Melbourne VictoriaのHallらは、同患者歩行中の矢状面・前額面股関節動作を測定した13研究(n=1,141)を対象として、この目的のための歩行時矢状面・前額面モーメントの有用性を検討するシステマティックレビュー・メタ解析を行った。
結論
全体的に股関節OA患者は対照者と比べ、矢状面(標準化平均差[SMD]:-0.55)・前額面(SMD:-0.63)モーメントが小さかったが、データには不均質性があった。重症股関節OA患者は対照者より矢状面(SMD:-0.96)・前額面(SMD:-1.17)モーメントが小さい一方、軽度患者は対照者と差がなかった。
評価
OA患者では股関節のメカニックスが変わって関節負荷が減っている、という見方(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28167387)をほぼ支持した。両方向のモーメントが負荷の代替指標として適当か、というレビュー主題に関しては研究間不均質性が大きく、結論を得ていない。