膝蓋大腿痛症候群への徒手療法は有効か：系統レビューとメタ解析
Effectiveness of Manual Therapy on Pain and Self-Reported Function in Individuals With Patellofemoral Pain: Systematic Review and Meta-Analysis
背景
膝蓋大腿痛症候群（PFP）への徒手療法（MT）の有効性に関して一定の研究が蓄積されている。Arcadia UniversityのEckenrodeらは、PFP患者への標準治療もしくはシャム治療と比べ、MT単独、もしくは補助介入としてのMTが痛み軽減や患者報告機能改善に有効かを検討するシステマティックレビューとメタ解析を行なった。
結論
9件を検討し、5件をバイアス低リスクと判断した。コントロール・シャム治療群と比べ、MTは患者報告による機能・痛み改善の有意な短期変化と関連したが、臨床的意義のある有意変化は痛み軽減においてのみだった（VASもしくはNRSにおいて2点/2cmの改善）。
評価
ランナー膝への徒手療法のエビデンスに関する最新のメタ解析であるが、未だ研究件数が少なく確定的結果とは言い難い。同障害への神経筋電気刺激（NMES）の最新レビューも、有効性に関する結論に至っていない（https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29231243）。
