自閉症スペクトラム障害小児・若者へのオキシトシン経鼻スプレーは無益
Intranasal Oxytocin in Children and Adolescents with Autism Spectrum Disorder

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
October 2021
385
開始ページ
1462

背景

オキシトシンの鼻腔内投与で自閉症スペクトラム障害(ASD)が軽減する、という報告があり、すでに実行しているクリニックも多い。Duke Clinical Research InstituteのSikichら(SOARS-B)は、3〜17歳の同患者290名を対象としてこの仮説を検証する第2相試験を行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、ABC-mSW尺度のベースラインからの変化量である。

結論

オキシトシンの一次アウトカム効果を認めなかった。二次アウトカムでも同様であった。

評価

ASDとオキシトシンの関連は魅力的な研究テーマだが、小規模研究に基づく臨床応用は先行し過ぎていた。この論文は一定規模の標準RCTで効果を否定したエビデンスで重みがあり、著者らは「無効」と断定している。

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取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies