自閉症スペクトラム障害小児・若者へのオキシトシン経鼻スプレーは無益
Intranasal Oxytocin in Children and Adolescents with Autism Spectrum Disorder
背景
オキシトシンの鼻腔内投与で自閉症スペクトラム障害(ASD)が軽減する、という報告があり、すでに実行しているクリニックも多い。Duke Clinical Research InstituteのSikichら(SOARS-B)は、3〜17歳の同患者290名を対象としてこの仮説を検証する第2相試験を行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、ABC-mSW尺度のベースラインからの変化量である。
結論
オキシトシンの一次アウトカム効果を認めなかった。二次アウトカムでも同様であった。
評価
ASDとオキシトシンの関連は魅力的な研究テーマだが、小規模研究に基づく臨床応用は先行し過ぎていた。この論文は一定規模の標準RCTで効果を否定したエビデンスで重みがあり、著者らは「無効」と断定している。


