COVID-19パンデミック下で死産・妊産婦死亡が1/3増加
Effects of the COVID-19 pandemic on maternal and perinatal outcomes: a systematic review and meta-analysis
背景
COVID-19パンデミックの母体・周産期転帰に関する研究が集積されてきた。英国St George's UniversityのKhalilらは、40研究の系統レビュー・メタアナリシスを行った。
結論
パンデミック前と比して、パンデミック下では、死産(OR: 1.28)および妊産婦死亡(1.37)が増加した。妊娠37週前の早産は全体的に有意な変化なかったが、高所得国では減少した(0.91)。高所得国では自然早産も減少した(0.81)。EPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)の平均スコアは高く、パンデミック前と比較してパンデミック下でメンタルヘルスが低下した(プール化平均差0.42)。子宮外妊娠への介入治療は増加した(5.81)。妊娠高血圧症・妊娠34/32/28週前早産・産後出血・新生児死亡・低出生体重・NICU入室に有意なインパクトはなかった。
評価
「パンデミックで死産、妊産婦死亡が1/3増えた」と多くのメディアで取り上げられた。低中所得国で実施された研究が少ないなど、調査結果には限界がある。 パンデミック下での転院・スタッフ配置換え等医療提供要因だけでなく、パートナーによる暴力や貧困等が帰結悪化の原因となった可能性がある