帝王切開出生児に母の糞便を与える(FMT):概念実証試験
Maternal Fecal Microbiota Transplantation in Cesarean-Born Infants Rapidly Restores Normal Gut Microbial Development: A Proof-of-Concept Study

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
Cell
年月
October 2020
183
開始ページ
324

背景

帝王切開(CS)出生児は腸内細菌構成に異常が生じるというが、母親の腸内細菌叢の移植は腸内細菌構成の早期改善に有効か。フィンランドUniversity of Helsinkiのde Vosらは、CS出生児に対して生後2時間で母親の糞便移植(FMT)(3.5 mg)をおこない、児の腸内細菌構成が改善するかを検討する概念実証研究をおこなった(n=7)。

結論

3ヶ月のフォローアップ中に臨床経過に問題はなく、副作用はなかった。FMTを受けたCS出生児の菌叢は、FMTを受けなかったCS出生児とは異なり、経膣出産児の菌叢と有意な類似性を示した。

評価

この問題に関しては、膣内細菌叢移植(スワビング)が試みられてきたが著変がなかった。ここでの試みは、細菌叢をミルクに混ぜて与える、という意欲的なものである。本格的検証が期待される。

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取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

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