最大のメタアナリシスが示す、「新型コロナ(COVID-19)予防はまずとにかく1mの距離」
Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: a systematic review and meta-analysis

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The Lancet
年月
June 2020
395
開始ページ
1973

背景

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防での身体的距離づけ・マスク・眼保護ゴーグルの効果は。カナダMcMaster UniversityのSchunemannらは、これを評価する系統レビュー・メタ解析をおこなった。対象は、16ヶ国・6大陸からの172観察研究・44比較研究(n=25,697)である。

結論

身体的距離1m未満と比較して、1m以上でウイルス伝播はより低かった(aOR:0.18、リスク差[RD]−10.2%、中等度確実性)。距離が長くなるほど保護効果が増加した(RR 2.02/m、中等度確実性)。マスク着用により、感染リスクは大幅に低下した(aOR:0.15、RD−14.3%、低度確実性)。N95レベル以上マスクの効果は大きかった。ゴーグル着用も低度確実性で有効であった(aOR:0.22、RD−10.6%)。

評価

この問題に関する最大の系統レビュー・メタ解析で、「まずとにかくソーシャルディスタンス」という方策を支持した。アメリカではマスクが政治問題化したが、「確実ではないが有効」という結果である。ただし、これはウイルス疾患一般に関する研究の統合分析であり、RCTは一件もない、という。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies