子供にとって新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は「インフル程度」
Characteristics and Outcomes of Children With Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Infection Admitted to US and Canadian Pediatric Intensive Care Units
背景
小児は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のインパクトが小さいとされるが、PICUで管理された例も存在する。Texas Children’s HospitalのShekerdemianらは、2020年3月14日~4月3日に、北米で46のPICUに入室した小児COVID-19患者48名の患者属性・臨床経過・アウトカムを報告している。
結論
年齢中央値は13歳で、83%に基礎疾患があり、73%が呼吸器症状を示し、38%が侵襲的換気を必要とし(うち1名はECMO)、11名(23%)が多臓器不全となった。61%に薬物治療が行われた(ヒドロキシクロロキン・レムデシビル等)。追跡期間終了時には、2名(4%)が死亡し、15名(31%)が入院中、他は軽快退院した。
評価
アメリカ10万人、カナダ7,000人という死者中での小児のICU患者の少なさは瞠目に値する。今回の流行の初期に「COVID-19は季節性インフルエンザ程度のもの」という言説が流れたことがあるが、子どもにとっては確かにそうであるようで、著者らは「今年に入ってコロナによる14歳以下の死者は8人で、今季のインフルエンザ関連死は169人、子どもへのこの病気の負担はインフルエンザ以下であろう」としている。