フランスから「不明熱」型乳児新型コロナウイルス感染症(COVID-19)5例を報告
Atypical presentation of COVID-19 in young infants
背景
子供の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)には謎が多く、特に乳児に関するデータは少ない。フランスTrousseau HospitalのCorvolらは、同国でのシャットダウン(2020年3月17日開始)から7日以内にCOVID-19と診断された入院患児5名(生後3ヶ月以内)のケースシリーズ報告を行っている。
結論
患児はすべて健康だったが、熱発したため入院した。入院前にも入院中も呼吸器症状は出ず、集中治療を必要としなかった。5名中4名で入院時に体軸性筋緊張低下・眠気・呻吟等神経学的症状があり、腰椎穿刺をおこなったがウイルスは検出されなかった。アセトアミノフェンのみ投与で1〜3日で退院した。乳児の両親全員がウイルス感染の軽度徴候(鼻炎/咳/発熱)が1週間未満あり、これは未診断のCOVID-19であった可能性がある。
評価
武漢から2ヶ月〜15歳の子供8名に関する報告があるが、呼吸器症状が前面に出ており、このフランスシリーズとは異なっている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7091225/)。このシリーズ患者は、15名の熱発乳児中の5名であった。胸部X-pでも肺炎像はなく、「新型肺炎」でなく「不明熱」と言うべき病像である。