フランスから「不明熱」型乳児新型コロナウイルス感染症(COVID-19)5例を報告
Atypical presentation of COVID-19 in young infants

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
The Lancet
年月
April 2020
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開始ページ
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背景

子供の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)には謎が多く、特に乳児に関するデータは少ない。フランスTrousseau HospitalのCorvolらは、同国でのシャットダウン(2020年3月17日開始)から7日以内にCOVID-19と診断された入院患児5名(生後3ヶ月以内)のケースシリーズ報告を行っている。

結論

患児はすべて健康だったが、熱発したため入院した。入院前にも入院中も呼吸器症状は出ず、集中治療を必要としなかった。5名中4名で入院時に体軸性筋緊張低下・眠気・呻吟等神経学的症状があり、腰椎穿刺をおこなったがウイルスは検出されなかった。アセトアミノフェンのみ投与で1〜3日で退院した。乳児の両親全員がウイルス感染の軽度徴候(鼻炎/咳/発熱)が1週間未満あり、これは未診断のCOVID-19であった可能性がある。

評価

武漢から2ヶ月〜15歳の子供8名に関する報告があるが、呼吸器症状が前面に出ており、このフランスシリーズとは異なっている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7091225/)。このシリーズ患者は、15名の熱発乳児中の5名であった。胸部X-pでも肺炎像はなく、「新型肺炎」でなく「不明熱」と言うべき病像である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies