介護施設の終末期ケアにおける身体拘束:ヨーロッパの場合
Physical restraining of nursing home residents in the last week of life: An epidemiological study in six European countries
背景
介護施設の終末期ケアにおける身体拘束の現状は。ベルギーVrije Universiteit Brussel (VUB) & Ghent UniversityのPivodicらは、欧州6か国(ベルギー・UK・フィンランド・イタリア・オランダ・ポーランド)の高齢者介護施設入居者の人生の最後の週における身体拘束の頻度と特性との関連に関する疫学調査研究をおこなった(n=1,384、322施設)。ケアスタッフは、人生の最後の週に体幹または四肢の拘束の使用状況(毎日、毎日より少ない、使用なし)に関する構造化アンケートに回答した。
結論
四肢または体幹の拘束は、イタリア(18%)とベルギー(12%)で多く、フィンランド(4%)、ポーランド(4%)、UK(1%)、オランダ(0%)で低かった。入居者の年齢と拘束使用は逆相関した したが、性別・認知症・機能状態・人員配置レベル・施設入居者数との有意な関連はみられなかった。
評価
多くの国で身体的拘束は推奨されないが、介護施設入居者の終末期における疫学的データはこれまでなく、監視と政策立案を妨げていた。オランダとUKには、身体拘束の代替を強調する国家政策がある。