高齢者への適切なスキンケア介入は:系統レビュー
Maintaining skin integrity in the aged: A systematic review
背景
高齢者は皮膚乾燥・褥瘡・皮膚裂傷の有病率が高いが、適切なスキンケア介入は。ドイツCharite-Universitatsmedizin BerlinのKottnerらは、高齢者の皮膚統合性と皮膚バリア機能の促進・維持のためのスキンケア介入の有効性に関するシステマティックレビューの更新をおこなった(対象論文:63)。
結論
合成洗剤や両性界面活性剤を含む清拭料は、標準的な石鹸および水と比較して、皮膚の乾燥を改善した。親油性皮膚保湿剤は、皮膚の乾燥を抑え、掻痒を減らした。pH4の製品は、皮膚バリア機能を改善した。皮膚保護剤と構造化スキンケアプロトコルの適用により、IAD(失禁関連皮膚炎)の重症度が減少した。グリセリンとワセリンを含む製剤は、スキン‐テア(皮膚裂傷)の発生を減少させた。
評価
著者らによる2013年のシステマティックレビュー(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23773110)の更新である。著者らは、エビデンスの質は中以下で、特に清潔ケア製品と保湿ケア製品の臨床意義は不明で、ケア製品の説明・分類・試験結果の比較可能性を改善することが急務である、としている。