CPR習得には「復習」が大事
An audio-visual review model enhanced one-year retention of cardiopulmonary resuscitation skills and knowledge: A randomized controlled trial
背景
院外心停止ハイリスク患者家族を対象とした心肺蘇生(CPR)法習得後のスキル定着のためにどんな方法が効果的か。中国Capital Medical UniversityのWuらは、院外心停止ハイリスク患者家族へのDVDを用いたCPRスキル定着強化の有効性を検証するRCTをおこなった(n=641)。介入群は、指導用DVDを持ち帰り、3ヶ月ごとに電話をかけることで強化され、DVD視聴のみの群とDVDを見ながら練習する群に分けられた。対照群には冊子と練習のないDVDを渡した。一次アウトカムは、研修12ヶ月後におけるスキルと知識の再評価である。
結論
一次アウトカムにおいて、両介入群が対照群より定着率が高かった(P<0.001)。DVD+練習群は、DVD視聴のみ群より定着率が高かったが(49.7% vs. 36.9%)、ITT解析で差は見られなかった。両介入群で、すべてのスキル要素の正解率が対照群よりも高く、知識スコアも高かった。両介入群間に有意差は見られなかった。
評価
CPRの習得と定着は重要な問題で、多くの研究が蓄積されている。最近では、problem-based learning(PBL)と高精度シミュレーションが有効、という報告もある(https://bmcmededuc.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12909-019-1626-7CPR)。この中国でのRCTは「復習」の有効性を示した。