入院患者と病室にスーパーバグ
Multidrug-resistant Organisms in Hospitals: What Is on Patient Hands and in Their Rooms?
背景
多剤耐性菌(MDRO)の感染経路は医療従事者の手指を介するものが研究されてきたが、患者経路ではどうか。University of MichiganのModyらは、2施設の入院患者399名を対象に、入院時・3日目・7日目における鼻孔、利き手および高頻度接触面の微生物サンプリング・分析をおこなった。
結論
ベースライン時に患者の14%にMDROの定着があり、10%が手指、29%が病室であった。入院中のMDROの新たな獲得は手指で6%であった。患者の新規MDRO獲得頻度は24.6/1000患者-日であった(病室では58.6/1000患者-日)。患者の手指と病室のMRSAとの間に強い相関関係があった。
評価
患者経路でのMDRO伝播に関する初めての調査である。多くは入院早期に病室に定着しており、部屋の接触面への伝播が速いことを示唆している。著者らは、プライバシーカーテンの汚染対策の有効性について学会発表している(https://www.escmid.org/escmid_publications/escmid_elibrary/material/?mid=69568)。