ICU患者のPTSD軽減のために看護師主導でCBT
Effect of a Nurse-Led Preventive Psychological Intervention on Symptoms of Posttraumatic Stress Disorder Among Critically Ill Patients: A Randomized Clinical Trial
背景
ICU退室後4人に1人がPTSDを発症し、予防のための精神療法が必要だとされている。英国University College LondonのWadeらは、認知行動療法(CBT)に基づく看護師主導の心理的介入のPTSD発症リスク軽減を検証するRCTを行った(24 ICU、n=1,453、対照:通常ケア)。一次アウトカムは、6ヶ月時のPTSD症状の重症度(PTSD Symptom Scale-Self-Report questionnaire)である。
結論
CBT介入に一次アウトカム効果はなかった。心理的介入による不安や鬱病の有意差もなかった。
評価
最初の本格的RCTだが失敗した。原因として看護師のトレーニング不足(期間3日間)も考えられているが、臨床心理士や精神科医といった医療者の方がよいのかもしれない。また、このプログラムでは患者はICU入室中に30分のセッションを3回実施するが、3回セッションを終了した患者は3分の2であった。様々な改良点を示唆する貴重なパイロット検証である。