患者の退院準備状態を阻害する因子は
Patient readiness for hospital discharge and its relationship to discharge preparation and structural factors: A cross-sectional study
背景
退院という重要な移行期のケアにおいて看護師は退院調整・支援という重要な役割を担っており、多くの研究があるが、患者の準備状態を阻害する因子は。スイスUniversity of LausanneのMabireら(MatchRN)は、2015〜2016年の23の急性期病院のデータを用い、組織や個人特性(ユニット、看護師や患者の特性など)およびプロセス(セルフケアや症状の管理の教育など)と患者準備状態との関連を検討した(RN 1,833名、患者1,755名)。
結論
47.8%の患者が退院準備ができていると報告した。患者の58%が退院後のセルフケアのための支援を受け、30%が症状管理のための支援を受けたと報告した。患者の退院準備状態は病院規模と関連し、大規模・中規模の病院で有意に不良であった。患者の退院準備良好と有意に関連していた因子は、看護師の経験、患者報告による良好な健康状態、セルフケアの支援、症状管理の支援であった。
評価
スイスにおける2012年のDRG(Diagnosis Related Group)導入後の患者安全指標と看護ケアのプロセス・構造の変化を調べるMatchRNの二次分析である。EUからの報告だが、アジア(タイ)からの報告では、最重要因子を「帰った後の生活環境が整ってるかどうか」としており、地域差の重要性が明らかである(https://tci-thaijo.org/index.php/PRIJNR/article/view/86565)。