親の養育行動を変えて小児肥満を予防する
Effect of a Responsive Parenting Educational Intervention on Childhood Weight Outcomes at 3 Years of Age: The INSIGHT Randomized Clinical Trial
背景
愚図る小児をなだめるためや何かの報酬として、空腹でない小児に食べ物を与える行動は小児肥満につながりうるが、親の行動を変えるための応答的養育(responsive parenting: RP)指導の介入は小児肥満の予防に有効か。Penn State College of MedicineのPaulら(INSIGHT)は、初産の母親を対象とした看護師によるRP指導の有効性を検討するRCTを行った(n=279組の親子、対照:安全管理指導)。介入群の母親は、健診時および4回の自宅訪問で応答的養育(食事・睡眠・情動調整・活発な社会的遊び[active social play])の指導を受けた。一次アウトカムは、3歳時のBMIのzスコアである。
結論
RP介入の3歳時のBMIのzスコア低下効果を認めた(絶対差:-0.28[p<0.04])。しかし、BMIの%水準は変わらなかった。
評価
著者らはすでにこの介入により食事パターンは十分に変えられる、という報告をしており(https://doi.org/10.1002/oby.21705)、BMIにインパクトがあることは当然ともみられるが、幅は大きくない。改善の余地は大きそうである。

