終末期在宅医療に関する看護師主導ACPをRCTにかける
Effects of a nurse-led post-discharge advance care planning programme for community-dwelling patients nearing the end of life and their family members: A randomised controlled trial
背景
アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning: ACP)の有効性に関するエビデンスは明確でない。香港Chinese University of Hong KongのChanらは、終末期在宅患者への看護師訪問による退院後の構造化ACPプログラムの効果を検討するRCTを行った(患者とその家族230組;対照:セルフケア指導)。アウトカム指標は、終末期ケアニーズに関する患者・家族間の選好の一致度、患者にとっての終末期に関する意思決定の葛藤、選好の記録化である。
結論
ベースライン時に事前指示書について聞いたことがある参加者はわずか2.6%、家族と終末期の問題を話し合った患者は14.8%であった。1ヶ月後ではいずれの結果にも有意差はなかったが、6ヶ月後、介入群は対照群に比して、患者・家族間の一致度が増してケアニーズ選好が多様化し(P<0.04)、意思決定における葛藤も少なく(P=0.003)、事前指示および電子カルテへのDNAR記録の完了率も高かった。
評価
ACPに関しては、「複雑で、未知のネガティブインパクトがあるかもしれないため、更なる検討が必要」とした研究があったが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24464168)、有効性を示すRCTエビデンスを提出した。