看護師の「心配」はどれくらい正しいのか:DENWIS指標
Surgical ward nurses’ responses to worry: an observational descriptive study
背景
オランダで開発されて注目されている看護師の「心配」指標DENWISは、臨床的に有用か。オランダGelderse Vallei HospitalのDouwらは、外科3病棟におけるDutch-Early-Nurse-Worry-Indicator-Score(DENWIS)とバイタルサイン測定値の1年間のデータについて記述的分析を行い、「心配」指標の医療行動帰結を検討した。
結論
計46,571回のバイタルサイン測定における「正常」は18,727回で、そのうち「心配」は605回(3%)あり、その10.2%で主治医がコールされた。コールのうち半数以上が、必要な介入をもたらした。援助要請と心配後の介入は、早期警戒スコアの増加と並行していた。呼吸インジケーターは、バイタルサイン全体の異常と最も高頻度に関連していたのは、「呼吸のしかた」に対する心配だった。
評価
DENWISは、看護師が「心配」を呼吸・循環・体温・精神機能・不穏・痛み・予想外の臨床経過(unexpected trajectory)・患者からの訴え・看護師の主観、の9指標に分析するもので、著者らはすでに外科病棟における重症化・急死の予測を改善したと報告している(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27222458)。同じ著者らは、システマティックレビューで、バイタルサインと心配・懸念が独立している、としており(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25990249)、今回の結果はバイタル正常で医師に連絡するほど「心配」があった場合は半数以上介入が必要な事態だった、とした。