訪問看護をすると救急受診が増える?
The association between home care visits and same-day emergency department use: a case-crossover study

カテゴリー
看護・母子医学
ジャーナル名
Canadian Medical Association Journal
年月
April 2018
190
開始ページ
E525

背景

在宅ケア利用高齢者への訪問看護は、救急(ED)受診の遅延や回避にどれほど寄与するのか。カナダMcMaster UniversityのJonesらは、健康管理データベースに基づき、日中の訪問看護と同日午後5時以降のED受診の関連を検討する集団ベースのケース・クロスオーバー研究をおこなった(n=7,265)。ED受診を、訪問看護があった日となかった日との間で比較した。在宅療養高齢者は長期ニーズ・短期ニーズ・その他ニーズ(緩和ケア等)の群に分類した。

結論

長期・短期両群で、訪問看護実施日の当日午後5時から深夜にはED受診が増えた(OR: 各1.32・1.22)。より強く関連していたのは、両群における入院に至らないED受診、および長期群における緊急度がより低い患者の受診であった。「その他」群ではこの関連はみられなかった。

評価

期待を裏切る意外な結果となった。訪問看護は十分なケア体制のバックアップがないと患者に病気をより強く意識させる、ということを示唆する。ただし、この研究は訪問看護実施当日に関するもので、長期的効果に関するものではない。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(看護・母子医学)

Oncology Nursing Forum, International Journal of Nursing Studies