医師・看護師の作成文書を比較・分析
Physician nurse care: A new use of UMLS to measure professional contribution: Are we talking about the same patient a new graph matching algorithm?
背景
医師・看護師は言語やトレーニングが違うが、その差を実践範囲・態度等と関連させた研究はない。University of IllinoisのBoydらは、単一施設でケアを受けた58名の心不全患者のEHR(Electronic Health Record)を使用し、退院サマリーおよび看護計画上の用語を、UMLS(Unified Medical Language System)を使用して比較し、医師と看護師が患者ケアのどのような面にフォーカスしているか分析した。
結論
重複があった用語のはわずか26%で、UMLSネットワーク上での距離2以下だったのは少数で、ほとんどの概念が医師・看護師間で違っていた。使用された専門用語は、医師約27語、看護師約18語であった。医師が使用していた用語では、「decreased translucency」や「adiographic examination abnormal」等の技術的なものが多く、看護師の使用用語は「acute onset of pain」など、症状や対応に重点を置くものであった。
評価
同一患者における、医師と看護師の客観的なケア実践範囲を、言語面から測定する初めての研究である。医師・看護師の協働が重要になっているが、両職間での「言葉」の違いは大きい。この研究で使用されたアルゴリズムは、医師・看護師間のギャップを同定し、ケアの質の改善に有用である、と著者らは言っている。

