投薬作業中断に対する看護師の反応
Nurses’ Responses to Interruptions during Medication Tasks: A Time and Motion Study
背景
投薬エラーに作業の割り込みや作業中断が影響するという研究は多くあるが、作業中断はエラー防止、情報の更新といった肯定的な効果をもたらす場合もある。Vanderbilt UniversityのReedらは、急性期病棟において20名の看護師の日常業務を観察し、作業中断に対する反応を調査・記述し、中断のコントロールに影響する要因を検証した。
結論
投薬作業の約39%が中断された。看護師は割り込んできたタスクを遅らせて投薬作業完了を優先する(12.6%)より、中断タスク(51.1%)やマルチタスク(40.3%)に対応するため投薬作業を中断することが多かった。 中断タスクの特徴(タスクの種類・発生源・方法・伝達意図)は、看護師の反応と統計的有意に関連していた。
評価
投薬中断に関する研究は多く、看護学生における投薬中断のロールプレイングによるシミュレーション(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28445621)なども行われているが、まだ指針はないようである。著者らは、作業中断への看護師の反応と、患者の安全アウトカムに対する異なる反応の影響についてのさらなる研究が支持される、としている。