高齢早期乳がん患者の心不全死亡リスクは進行がん患者より高い
Heart Failure and Long-Term Survival Among Older Women With Breast Cancer
背景
高齢乳がん女性の診断後10年までの心不全(HF)と全生存期間との関連は。University of MichiganのHarrisonらは、SEERがんレジストリを用いた後向コホート研究により、HFと死亡率との関連、死亡リスクに対する心不全の相対的寄与と乳がんステージの関連を検討した(n=3,689;浸潤性乳がんと診断された65歳以上の女性;HFの自己報告n=239)。
結論
他因子調整後、HFを有することで、がん診断後10年までの死亡率が増加した。がんステージによる調整サブ解析では、HFはステージI・IIで診断後10年までの死亡リスク増と関連していたが、III・IVではそうではなかった。早期乳がんは一般的に予後が良好だが、HFによる死亡リスクは進行がんより高い。
評価
併存疾患を有する女性患者は乳がん臨床試験から除外され、がんの臨床試験では心不全生存率を評価するための長期フォローアップが不十分である。早期乳がんに対する過剰治療は心血管リスクでありえる。