妊娠・授乳中の卵・ピーナツ増量は、乳児の食物アレルギー発症リスクを低減せず:PrEggNut試験
Trial of a Maternal Diet Rich in Eggs and Peanuts to Reduce Infant Allergy
背景
乳児への卵・ピーナツ早期導入は食物アレルギー予防に有効だが、胎児期・授乳期から母体摂取量を増やす追加効果は。
オーストラリアKids Research Institute AustraliaのPalmerら(PrEggNut)は、アレルギー疾患の家族歴を2名以上にもつ胎児の妊婦2,137名を、妊娠23週未満から産後4ヵ月まで卵・ピーナツ摂取量を増やす群(週に卵6個以上、ピーナッツ60個以上を含む卵とピーナッツを多く含む食事)と対照群(週に卵3個以下、ピーナッツ30個以下の食事)に割り付けるRCTを行った。
一次アウトカムは、1歳時の乳児IgE介在性卵またはピーナツアレルギーである。
結論
一次アウトカムに両群差を認めなかった。卵アレルギー・ピーナツアレルギー・感作・湿疹にも明確な差はなく、母児の安全性指標も同程度であった。
評価
母体のアレルゲン除去が児のアレルギーを予防しないことは2018年の系統レビューで示されていたが(https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1002507)、PrEggNutは逆に妊娠・授乳中の卵・ピーナツ摂取量を積極的に増やす戦略を初めての大規模RCTで明確に否定した。乳児自身への卵・ピーナツ早期導入を推奨し、母親にはアレルギー予防目的の食事変更を求めない2026年ASCIAガイドライン(https://www.allergy.org.au/hp/papers/infant-feeding-and-allergy-prevention/)を支持し、母体高摂取を新たな予防策として追加する根拠は示さなかった。一方、一次アウトカム発生率は想定16%に対し約8%と低く、95%CIは臨床的に意味のある30%リスク低下を完全には除外していない点が限界である。


