低所得世帯の乳児安全睡眠は、テキスト動画配信では改善しない:SMARTER研究
Safe Sleep Video Intervention via Text Messaging to Low-Income Families: The SMARTER Randomized Clinical Trial
背景
安全な睡眠習慣は乳児の予期せぬ突然死(SUID)リスクを低減するが、アメリカでは特に低所得世帯で実践率が低い。
アメリカUniversity of VirginiaのMoonら(SMARTER)は、18州の女性・乳幼児・児童向け特別栄養補助プログラム(WIC)参加妊婦1,790名を対象に、妊娠期と産後の安全睡眠動画介入の効果を2×2要因RCTで検証した(対照:母乳育児)。一次アウトカムは、生後60日以降の母親報告による仰向け寝、添い寝なしの同室、柔らかい寝具の不使用、おしゃぶり使用の4項目である。
結論
妊娠期および出産後の安全睡眠動画介入は、4つの一次アウトカムのいずれも改善しなかった。二次アウトカムでは、妊娠期介入群で生後60日時点の「常に仰向け寝」が対照群より多かった(70.6% vs. 60.9%)。
評価
低所得世帯を対象に、低コストで拡張性の高いテキスト動画介入の効果を大規模RCTで検証したが、失敗した。先行する2017年SMART試験(一般母子対象)では、同様のmHealth動画介入が安全睡眠行動を改善したが、SMARTERでは4つの一次アウトカムすべてで効果を再現できなかった。動画配信の効果が対象集団や実施状況(生活レベル)に左右される、という重要な条件を明らかにした。妊娠期介入による「常に仰向け寝」の改善(70.6% vs. 60.9%)は注目されるが二次アウトカムであり、自己申告、60日調査の未回答、通常の仰向け寝率が各群87.6〜92.2%と高い天井効果も解釈上の制約である。


