男性マスターズ持久系アスリートの潜在性高血圧は冠動脈硬化と関連する
Resting and exercise-induced occult hypertension and coronary atherosclerosis in male masters endurance athletes
背景
長期の持久系運動を行う男性で冠動脈硬化が多い理由は不明である。
イギリスCity St George’s University of LondonのSharmaらは、低心血管リスクで高血圧未診断の男性マスターズ持久系アスリート198名のデータを解析した。主要評価項目は、24時間自由行動下血圧(ABP)・運動時血圧・冠動脈石灰化(CAC)スコア・内腔狭窄・高リスクプラーク特性であった。
結論
39%にABPで高血圧、47%に運動誘発性高血圧を認めた。ABP高血圧はCAC≧100 AU(オッズ比[OR]: 2.56)、冠動脈狭窄>50%(2.92)、運動誘発性高血圧は同狭窄(4.72)、高リスクプラーク(3.27)と関連した。
評価
持久系アスリートの冠動脈硬化に、運動量だけでなく従来型リスク因子が関与する可能性を示した。2026年EAPC/ESC/ACC合同コンセンサスも男性マスターズ選手では冠動脈硬化が多く、高血圧などの評価を重視している(https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2026.03.025)。安静時血圧が正常でもABP高血圧例の90%を見逃す点は臨床的に重要だが、対照群を欠くため非アスリートとの差や因果関係は示せていない。持久系アスリートにおける潜在性高血圧と動脈硬化の関連を指摘した仮説生成研究とみなされる。


