関節形成術後痛でオキシコドンはヒドロコドンに優る?
Hydrocodone vs Oxycodone and Postoperative Pain and Opioid Use in Joint Arthroplasty
背景
関節形成術後の鎮痛において、ヒドロコドンとオキシコドンのどちらが優れるか。
アメリカThe Ohio State UniversityのJohnsonらは、CYP2D6正常代謝者(NM)の関節形成術患者663名を対象に、両薬剤の有効性とオピオイド使用量を比較する前向コホート研究を行った。
一次アウトカムは、術後10日目の複合疼痛スコア(composite pain score)および10日間の累積オピオイド投与量(モルヒネ・ミリグラム当量: MME)とした。
結論
ヒドロコドン群はオキシコドン群と比較し、術後10日時点の複合痛スコアが有意に低く(9.0 vs. 9.3)、10日間のMMEも有意に少なかった(93.5 vs. 154.5)。一方、術後10日目の移動性スコアや30日目の不安・抑うつスコアなどの二次アウトカムに有意差は認められなかった。
評価
従来の「オキシコドンの方が強力」という臨床的固定観念に反し、ヒドロコドンが同等以上の鎮痛効果をより少ないオピオイド曝露量で達成できる可能性を示した。多モード鎮痛下においてオピオイド使用量を抑制できる点から、臨床実践におけるオピオイド処方戦略の転換を求める大きなインパクトを持つ。非ランダム化比較による交絡因子の存在や、特定の医療機関の処方偏向の影響、CYP2D6代謝機能低下者への外挿可能性については解明されていない。


