アメリカ非営利病院への経営コンサルタント導入は無益
Changes in Nonprofit Hospitals’ Finances, Operations, and Quality of Care After Using Management Consultants
背景
アメリカの医療分野における経営コンサルタントの存在感が増す一方、その多額の支出に見合う効果があるかは不明である。
アメリカUniversity of ChicagoのBruchらは、2010〜2022年に初めて経営コンサルタントを導入した同国非営利病院306施設と非導入の対照病院513施設を対象に、財務・運営・医療の質への影響を分析した。
結論
非営利病院は2009〜2023年にコンサルタントへ累計78億ドル以上を支出(1施設平均1,570万ドル)した。しかし、純患者収入(−2.22%)・事業費用(−1.07%)・現金預金回転期間(−8.56%)・医業利益率(0.15%ポイント増)など、財務・運営・医療の質の指標において統計的に有意な改善効果は認められなかった。脳卒中患者の30日再入院率(1.37%ポイント増)のみ有意であったが感度分析では再現されなかった。
評価
アメリカでは大病院の〜30%、非営利病院の〜20%が経営コンサルティング契約をしているとされるが、その効果をはじめて対照を置いて評価した重要な研究である。コンサルタント雇用(平均1,570万ドル)は病院医師約46名や看護師約167名の年間給与に匹敵する機会費用を生むが、目立った費用対効果を示さないことが示された。医療機関におけるコンサル依存の妥当性に疑問を投げかけ、医療経営指導やリソース配分のあり方の見直しを要求する強い臨床・経営上のインパクトを持つ。研究の制約点は、対照の取り方が難しいことと、平均追跡期間の短さ(導入後3〜5年)である。


