TKRでの膝蓋骨置換は有益か:最大・最長の多施設RCT
Patellar resurfacing in total knee replacement: 20-year clinical and economic results of a large multicentre, randomised controlled trial in the UK

カテゴリー
整形外科・理学療法、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
June 2026
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背景

人工膝関節置換術(TKR)における膝蓋骨置換の是非には議論があるが、従来のRCTは追跡期間が10年以下と短く、十分な検証がなされていない。
イギリスUniversity of OxfordのMurrayら(Knee Arthroplasty Trial: KAT)は、一次TKRを予定する成人患者1,715名を、膝蓋骨置換群と非置換群に割りつけ、20年間の長期臨床アウトカムと経済性を比較検証した。
一次アウトカムは、オックスフォード膝スコア(OKS)であった。

結論

一次アウトカムの調整後平均差は0.76で、膝蓋骨置換群で良好な傾向を示したものの、統計的有意差はなかった。しかし、QALYは膝蓋骨置換群で7.295、非置換群で6.884であり、置換群が有意に多くのQALYを獲得した。20年間の総医療費はそれぞれ10,825ポンドと10,889ポンドで同等であり、膝蓋骨置換はQALY獲得あたり10,000ポンド以上の閾値において99%の確率で費用対効果に優れた。

評価

TKRにおける膝蓋骨置換の有無の帰結を20年間追跡した、最大かつ最長のプラグマティックRCTである。一次アウトカムに差はなかったが、イギリスの医療経済評価基準から膝蓋骨置換を推奨オプションと結論した。ただし、QALYの優位性の約半分は置換群で12%低かった全死因死亡率に起因しており、生存率の差が除外された感度分析ではQALYの有意差が消失する。また、再手術の発生率は同等だが、非置換群の再手術が比較的容易な「後からの置換」であるのに対し、置換群では骨折やアライメント修正など複雑な術式を要するリスクがある。さらに、使用されたインプラントデザインは20年以上前のものであり、現代における一般化には限界がある。

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