プロサッカー選手のACL再建術後、早期復帰は二次性筋損傷リスクを高めるか?
Secondary Muscle Injuries and Performance Decline After Anterior Cruciate Ligament Reconstruction in Professional Soccer: A Retrospective Matched Cohort Study
背景
前十字靭帯(ACL)再建術後に競技復帰したプロサッカー選手は二次性筋損傷を経験しやすいが、その正確な発生率や時期、危険因子は不祥である。
イタリアUniversity of OstravaのMazzaらは、2020年から2023年にACL再建術を受け、復帰したプロ男子サッカー選手40名と同条件の対照群40名を対象に、復帰後24ヵ月間の筋損傷発生率とリスク因子を解析した。
結論
競技復帰後12ヵ月以内に対傷した二次性筋損傷の発生率は、対照群の12.5%に対し、ACL再建群では32.5%と有意に高かった。このリスクは復帰後3〜6ヵ月でピークに達し、9ヵ月未満での早期競技復帰は、二次性筋損傷発生の強力な独立した予測因子(調整オッズ比 4.85)であった。
評価
ACL再建後の筋損傷リスクを定量化した重要な途上研究である。早期復帰が修正可能な最大のリスク因子として特定され、リハビリ期間の最適化を促す実臨床へのインパクトを持つ。本試算は単一国のプロ男子選手のみを対象とした後向コホート研究であり、女子選手やアマチュア層への一般化が制限される点、および24ヵ月という中期の追跡に留まる制約があり、市場価値やパフォーマンスへの長期的な影響を含めた多施設前向検証が待たれる。


