早期アルツハイマー病に対する経口セマグルチドの有益性を否定:第3相evoke/evoke+試験
Efficacy and safety of oral semaglutide 14 mg (flexible dose) in early-stage symptomatic Alzheimer's disease (evoke and evoke+): two phase 3, randomised, placebo-controlled trials
背景
GLP-1受容体作動薬がアルツハイマー病(AD)のリスクを低減させる可能性が示唆されている。
アメリカUniversity of California San DiegoのFeldmanらは、40ヵ国566施設が参加した2件のRCT(evoke/evoke+)により、アミロイド陽性の早期AD患者計3,808名を対象に、1日1回最大14mgの経口セマグルチドの有効性・安全性をプラセボと比較する第3相試験を行った。一次アウトカムは、ベースラインから104週目までの臨床認知症評価尺度(CDR-SB)スコアの変化であった。
結論
セマグルチドの一次アウトカム効果を認めなかった:(evoke試験)2.3 vs. 2.3;(evoke+試験)2.2 vs. 2.1。有害事象はセマグルチド群の91.2%にみられ、プラセボ群の84.8%より高頻度であった。
評価
Novo Nordiskがスポンサーし、「GLP-1受容体作動薬がADに効く」という極めて魅力的な仮説を検証した第3相試験だったが、有効性を示せなかった。試験自体の問題点として、糖尿病・肥満症の治験より遥かに高いドロップアウト率(9-12%: 〜1.5倍)と、高い有害事象発生率(>90%)が注目され、二次アウトカムである脳脊髄液中p-tau181・p-tau217や神経炎症・変性マーカーの有意減少、というポジティブ結果を曇らせている。この仮説が更なる検証に値するかどうかは不明である。


