ミニマリストシューズはランニングに推奨されうるか:ランダム化クロスオーバー試験
The Effect of Minimalist Versus Motion Control Shoes on Patellofemoral Joint Forces in Adolescents With Patellofemoral Pain During Running: A Randomized Crossover Study
背景
膝蓋大腿関節痛は活動的な若年層に多く、関節への高い負荷が病態に関与している。足の過度のプロネーション(内転)を抑えるモーションコントロールシューズは広く使用されているが、柔軟で軽量なミニマリストシューズのほうが、ランニング時の膝蓋大腿関節への負荷を軽減できる可能性がある。
オーストラリアThe University of MelbourneのPatersonらは、12〜19歳の若年患者51名を対象としたクロスオーバー試験でこれを検証した。
参加者はミニマリストシューズまたはモーションコントロールシューズ(対照)を履き、地上をランニングした。三次元運動データと筋電図を用いた神経筋骨格モデルにより、立脚相における合算膝蓋大腿関節力(一次エンドポイント)や、各筋肉のピーク力を測定し、対応のあるt検定等で解析した。
結論
ミニマリストシューズでの走行はモーションコントロールシューズと比較し、ピーク時の膝蓋大腿関節力を7.5%(平均差363.2 N)、外側膝蓋力を7.8%(平均差202.7 N)有意に減少させた(p=0.02)。一方、腓腹筋の力は26.6%(平均差449.3 N)有意に増加し、大腿四頭筋力には明確な変化を認めなかった。
評価
3Dモデルと筋電図による精密測定を用いて、ミニマリストシューズが地上走行時の膝蓋大腿関節および外側への負荷を減少させることを示した。靴の構造的特徴(柔軟性や低ドロップ等)が膝から足首への運動負担の再配分を促し、特定の関節保護に寄与する可能性が示唆される。他方、短期的には痛みの強さに群間差はなく、快適性の評価ではモーションコントロールシューズが勝っていた。また、ミニマリスト構造は変形性膝関節症において内側型の負荷を高めるという過去の知見もある。交差無作為試験であるが規模は大きくなく、臨床推奨に直結するかどうかは明らかでない。


