血友病Aに対する次世代二重特異性抗体Mim8登場:FRONTIER2試験
Mim8 Bispecific Antibody Prophylaxis in Hemophilia A with or without Inhibitors
背景
血友病Aの出血予防のために開発されたMim8(denecimig)は活性型第VIII因子の機能を模倣し、第IXa因子と第Xa因子を結合させて凝固を促進する次世代二重特異性抗体である。
イタリアIRCCS Humanitas Research HospitalのMancusoら(FRONTIER2)は、試験開始前にオンデマンド治療を受けていた12歳以上のインヒビター保持および非保持患者58名を対象に、週1回または月1回の皮下注射によるMim8の出血予防効果と安全性を、従来のオンデマンド療法と比較する第3相RCTを行った。
一次エンドポイントは、年間(被処置)出血率(ABR)である。
結論
Mim8投与の一次エンドポイント効果を認めた:週1回投与で96.4%、月1回投与で98.7%減。既存予防療法からの切り替え群でもABRが40〜50%台の減少をみせ、26週時点で対象者の64〜95%が無出血を達成した。血栓塞栓事象や中和抗体の発現は認められなかった。
評価
Novo Nordiskの創薬で、現在市場を席捲している中外/ロシュのエミシズマブ(ヘムライブラ)に対するダイレクトな挑戦となる。薬効的にはトロンビン生成能の高さが、また臨床的には月1回投与可能ということが、主要特徴である。承認は確実だが、今後エミシズマブとの直接比較試験が期待され、Mim8が次世代薬としてエミシズマブを置換するかどうかが注目される。


