手根管症候群へのスプリント療法の効果はプラセボ効果
Wrist Splinting versus a Placebo Soft Bandage for Carpal Tunnel Syndrome
背景
手根管症候群(CTS)に対しスプリント(固定用装具)療法が一般的に行われているが、エビデンスは十分でない。
スウェーデンSkåne UniversityのAtroshiらは、142名の患者を硬性スプリントと手首の動きを制限しないプラセボ用の軟性包帯を装着する群に割り付け、症状改善および手術回避への寄与を検証するRCTを行った。
一次エンドポイントは、12週時点の6項目のCTS症状スコアの変化と、1年後の手術を受けた患者の割合であった。
結論
スプリント療法の一次エンドポイント効果を認めなかった:0.36 vs. 0.28。また、1年以内に手術を要した割合も、スプリント群で57.1%、プラセボ群で51.4%とほぼ同等であった。重篤な有害事象は確認されず、スプリントの優越性は示されなかった。
評価
現在デファクトスタンダードとなっているスプリント療法の有益性を否定する結果である。先行RCTはすべて無処置か他療法を対照としており、ここで行われたシャム対照試験とは異なる。先行結果は、プラセボ効果を検出したものである可能性が高い。患者が手術を強く希望する場合や重症度が高い場合には、保存療法としてのスプリントに固執せず、早期に外科的介入を検討すべきである。


