脛骨骨折の術後感染予防のためのバンコマイシン粉末散布へのトブラマイシン併用は無益:TOBRA試験
Intrawound Tobramycin Plus Vancomycin to Prevent Surgical Site Infection in Tibial Fractures: The TOBRA Randomized Clinical Trial
背景
関節近傍の脛骨骨折は術後感染のリスクが高く、先行研究では創内へのバンコマイシン粉末散布が深部感染を減らすことが示されているが、グラム陰性菌にも対応するためにトブラマイシンを併用することで、さらに感染率を下げられるか。
アメリカMajor Extremity Trauma Research Consortium(METRC)は、米国の39の救命救急センターにおける成人患者1,528名を対象に、これを検証する非盲検RCTを行った。
一次アウトカムは、骨折の最終固定(Definitive fixation)後182日以内に外科的処置を必要とする深部手術部位感染症であった。
結論
ニ剤併用の一次アウトカム優位を認めなかった:7.4% vs. 6.6%。グラム陰性菌のみの感染や多剤耐性菌等、どの二次アウトカムにおいても併用による追加的利益は確認されなかった。
評価
脛骨の特に開放骨折では、土壌や汚水からグラム陰性菌が侵入しやすく、トブラマイシンの追加は有力な戦略だったが、実効性に結びつかなかった。関節近傍の脛骨骨折における感染経路や菌相の複雑さが要因である可能性が強い。


