小児橈骨遠位端骨折はギプス固定か手術か:CRAFFT試験
Non-surgical casting versus surgical reduction for children with severely displaced distal radial fractures (the CRAFFT Study): a multicentre, randomised, controlled non-inferiority trial and economic evaluation
背景
小児の重度橈骨遠位端骨折は、従来は全身麻酔下での整復術や固定術が一般的であったが、手術の必要性には議論があった。
イギリスUniversity of LiverpoolのPerryら(CRAFFT)は、同国49施設における4〜10歳の小児患者750名を対象に、非外科的ギプス固定の有効性と費用対効果を手術群と比較するRCTを行った。
一次アウトカムは、ITT集団におけるPROMIS上肢スコアを用いて評価した3ヵ月後の上肢機能であった。
結論
一次アウトカムはギプス群44.9、手術群46.6で、調整平均差は−1.64であった。この差は事前設定された非劣性限界(−2.5)を超えたため、統計的非劣性は証明されなかった。しかし、6ヵ月以降の機能に差はなく、ギプス群は手術群に対し1名あたり平均1,665ポンド(約32万円)の費用削減と、術後合併症(感染や神経刺激など)の回避を実現した。
評価
3ヵ月時点での機能差(1.64点)は、家族が手術を正当化すると考える閾値(5点)や臨床的に意味のある最小差を下回る「わずかな差」であると強調されている。特に、骨が完全にズレた(off-ended)最重症の症例においても同様の傾向が確認されており、小児のリモデリング能力の高さが裏付けられた。
手術群では瘢痕や感染などの初期合併症が多く、ギプス群の方が高い費用対効果(100%の確率でコスト削減)を示している。著者らの結論は手術回避推奨にも見える。


