輸血依存性βサラセミアに対するCRISPR-Cas12aを用いたHBG1/HBG2プロモーター編集治療reni-cel:EdiThal試験
CRISPR-Cas12a Gene Editing of HBG1 and HBG2 Promoters to Treat β-Thalassemia
背景
鎌状赤血球症(SCD)と同様に、輸血依存性βサラセミア(TDT)に対してもCRISPR-Cas9によるエンハンサー破壊型ex vovo治療が承認されている。
アメリカTriStar Centennial Children’s HospitalのFrangoulら(EdiThal)は、18〜35歳のTDT患者9名を対象に、HBG1およびHBG2プロモーター領域(BCL11A結合部位)を編集し、胎児性ヘモグロビン(HbF)を再活性化させるreni-cel(CRISPR-Cas12aを用いた自家造血幹細胞治療Renizgamglogene autogedtemcel)の安全性と有効性を検証した。
一次エンドポイントは、投与後42日までの好中球生着、および有害事象の頻度と重症度であった。患者はヘモグロビン関連指標と輸血非依存性についてモニタリングされた。
結論
スポンサーによる臨床開発優先順位の再評価に基づき、試験は早期終結された。
最終追跡調査時、9名全員において輸血不要が確認された。12ヵ月以上経過した時点で評価を受けた6名の患者は輸血非依存性であった。投与6〜18ヵ月時点で、平均総ヘモグロビン値は12g/dL以上、平均HbF値は11g/dL以上であった。好中球の生着は中央値23.0日、血小板の生着は中央値37.0日で全員達成され、最も早い症例では投与後16日で輸血が不要となった。
評価
NEJMに同時掲載されたSCDに関するRUBYと軌一する結果である(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2415550)。BCL11Aそのものを標的とする既存手法と比較し、赤血球産生能への悪影響を抑えつつ、極めて高いHbF誘導能を示した点は高く評価され、有害事象も重度ではない。RUBYと同様、開発元のin vivoへの投資転換により、TDT治療法としては臨床化されない可能性が高い。しかし、手法自体の確立は貴重であり、他疾患への治療に転用される未来が十分に考えられる。


