鎌状赤血球症に対するCRISPR-Cas12aを用いたHBG1/HBG2プロモーター編集治療が成功:RUBY試験
CRISPR-Cas12a Gene Editing of HBG1 and HBG2 Promoters to Treat Sickle Cell Disease
背景
鎌状赤血球症(SCD)の遺伝子治療には、すでにexa-celのCRISPR-Cas9によるエンハンサー破壊型ex vovo手法が承認されている。
アメリカCleveland ClinicのHannaら(RUBY)は、12〜50歳の重症SCD患者28名を対象に、CRISPR-Cas12aを用いて胎児性ヘモグロビン(HbF)の産生を抑制するBCL11A結合部位(HBG1およびHBG2プロモーター)を破壊し、HbFを再活性化させる自家造血幹細胞治療(Autologous hematopoietic stem-cell therapy)Renizgamglogene autogedtemcel(reni-cel)の有効性と安全性を検証した。
患者は、24ヵ月間にわたり、生着・ヘモグロビン関連指標・対立遺伝子編集レベル・血管閉塞性イベント・有害事象をモニタリングした。
結論
試験はスポンサーによる臨床開発の優先順位の再評価に基づき、早期終結された。reni-cel投与後、28名中27名でVOEが完全に消失し、残る1名も回数が減少した。投与6ヵ月時点で、平均総Hb値はベースラインの9.8 g/dLから正常範囲内の13.8 g/dLへ上昇し、HbF比率も2.5%から48.1%へと増加した。これらの数値はその後も維持され、造血幹細胞の生着(好中球:中央値23日、血小板:25日)も全例で確認された。
評価
Cas9によるエンハンサー破壊型手法を、Cas12aによるプロモーター精密調整型に洗練した第二世代ex vivo遺伝子編集で、印象的な有効性・安全性結果を出したが、Editas Medicine社がin vivo編集への移行を決断したため開発は早期終了した。手法自体の概念は実証され、承認は可能とみられるが、実用されるかどうかは不透明となった。


