バレエトレーニング傷害の高リスク期を特定:英ロイヤル・バレエ学校7年間の追跡
Adolescent maturation and injury risk in an elite ballet school: a 7-year cohort study of 506 students
背景
プロを目指すバレエ学生にとって、思春期の急激な身体の成長や成熟は怪我のリスク要因となり得る。
イギリスSt Mary’s UniversityのMacSweeneyらは、同国ロイヤル・バレエ学校の学生506名を対象に7年間にわたる調査を行い、成長速度や成人の推定身長に対する現在の到達度(成熟段階)が、成長関連および骨の傷害リスクにどのように関連するかを解析した。
結論
成長速度と成長関連障害の間には有意な正の相関(p=0.0006)が認められた。また、成熟段階については、成人推定身長の85%から95%に達する時期に傷害発生のリスクが最も高まる「逆U字型」の傾向(0.0019)が示された。一方で、年齢・性別ごとのBMIパーセンタイルや、その変化量と傷害発生との間には、統計的に有意な関連性は確認されなかった。
評価
傷害は身長の伸びがピークを迎える時期(Peak Height Velocity[PHV]前後)に集中しており、この時期に骨の力学的脆弱性が高まる可能性が示唆される。特に成人身長の約9割に達する時期をバレエトレーニングの「高リスク期」と特定した点は、予防戦略において実用的な所見である。BMI単独では怪我を予測できないことから、栄養状態よりも「成長そのものによる構造的変化」への注視が推奨される。


