プライム編集によるp47phox欠損型慢性肉芽腫症治療が成功
Prime Editing for p47phox-Deficient Chronic Granulomatous Disease
背景
慢性肉芽腫症(CGD)は、NADPH酸化酵素欠損により重症感染症を繰り返す遺伝性免疫不全症である。
アメリカPrime MedicineのAsmalらは、欧米のCGDの約25%を占めるp47phox欠損型(p47-CGD)の原因となるNCF1遺伝子の2塩基欠損(delGT)を、プライム編集で精密に修復する自家CD34+造血幹細胞療法PM359を開発し、ブスルファンによる骨髄前処置後の参加者2名に投与して安全性と有効性を評価した。
結論
好中球および血小板の迅速な生着が確認された。投与1ヵ月後には好中球のNADPH酸化酵素活性が回復し、1人目では6ヵ月、2人目では4ヵ月の観察期間を通じて維持された。DHR試験による陽性好中球率は、発症抑制の閾値とされる20%を大幅に上回る約69〜90%以上に達し、健康ドナーと同等の機能を示した。有害事象は、ブスルファンによる骨髄前処置によるものと考えられた。
評価
記念すべきプライム編集の臨床架橋成功の歴史的報告である。好中球の酸化酵素活性が重症感染症を防ぐ閾値を上回るレベルで回復したことは、単一遺伝子疾患に対する新たな治療プラットフォームとしての高い科学的価値を示している。第3相を待たずに承認される可能性は高いが、他方、開発元のPrime Medicine社は、「自社開発および商用化フェーズ」の停止(Discontinue/Pause)を発表した。前処置の負担や複雑な製造工程に伴う高コスト構造が、営利企業による継続を困難にしたものであり、既存ビッグファーマも零細ベンチャーも後継し難い。非営利団体によるモデルや新たな資金調達メカニズムなど、社会実装に向けた革新的な解決策が不可欠である。


