ハイサポートシューズは変形性股関節症の痛みを軽減できるのか
Stable Supportive Footwear for Self-managing Hip Osteoarthritis Pain: A Randomized Clinical Trial
背景
変形性股関節症に対する非外科的治療として、履物が新アプローチとして期待されている。
オーストラリアThe University of MelbourneのPatersonらは、コミュニティ在住の患者120名を対象に、市販のサポート力が有り安定性が高い(Stable Supportive: SS)靴が、足底が平面で柔軟性の高い(Flat Flexible: FF)靴よりも歩行時の股関節痛を改善するかどうかを検証するRCTを行った。
一次アウトカムは、過去1週間の歩行時平均股関節痛(0〜10点尺度)の試験開始時から6ヵ月後の変化であった。
結論
一次アウトカムにおいて、両群間に有意差はなかった。
FF靴は、股関節症アウトカムスコア(HOOS)の「症状」で6.6ポイント、QOLで7.8ポイントと、SS靴より大きな改善を示した。一方、SS靴は「反対側の足・足首の痛み」を0.8ポイント有意に軽減し、有害事象の発生率も12%(対するFF靴は31%)と約61%低かった。
評価
同グループによる先行検証は、膝関節にはSS靴が優れている、としていた(https://doi.org/10.7326/M20-6321)。今回の検証では股関節では差が出なかった。著者らは、膝関節(特に内側)は足元からの距離が近く、靴の安定性が膝関節内転モーメント(KAM)を直接的に軽減しやすいが、股関節は足元から遠く、膝や足首といった複数の関節を経由して力が伝わるため、靴の種類による微細な負荷の変化が股関節に届くまでに分散・吸収される、最終的な痛み(0.5点の差)として現れにくかった、としている。最終的にSS靴が推奨されるべきかどうかは疑問である。


