大うつ病性障害における抗うつ薬選択の意思決定支援ツールPETRUSHKAを開発
A Decision-Support System to Personalize Antidepressant Treatment in Major Depressive Disorder: A Randomized Clinical Trial
背景
中等〜重症の大うつ病性障害(MDD)において、処方された抗うつ薬が個々の患者に最適でない場合、早期中断を招くリスクがある。
イギリスUniversity of OxfordのCiprianiらは、成人患者520名を対象に、臨床的・人口統計的予測因子と患者の好みを統合し、最適な抗うつ薬を推奨するウェブベースの臨床意思決定支援ツール「PETRUSHKA」が、通常診療と比較して治療継続率や臨床転帰を改善するかを検証した(対照:通常ケア)。
一次アウトカムは、8週時点での全ての原因による治療中止であった。
結論
PETRUSHKAの一次アウトカム優位を認めた:17% vs. 27%(調整相対リスク 0.62)。24週時点のうつ症状(PHQ-9)・不安症状(GAD-7)スコアにおいても、介入群で有意な改善が認められた。
評価
抗うつ薬研究のリーダーであるOxfordグループが、ビッグデータに基き、個人の嗜好と機械学習による予測を融合させたWebベースの支援システムである。著者らは、特に副作用による中断の減少(介入群9% vs. 通常群16%)が、患者満足度と長期的な症状改善に繋がった可能性を指摘している。本ツールが共有意思決定(Shared Decision Making)の強力な手段になると期待される一方、二重盲検設計でない点や24週時点での欠測データの多さが結果の解釈における限界である。


